小僧の神様

もう3月ですから、卒業式を控えてその向こうにある
新しい場所に飛び込んでいく準備を(どきどきしながら)されている方もいますよね。

この時期の薯用饅頭の焼印は、「土筆」です。

毎年春になって、このお菓子を見るたびに、思い出すんですよねえ。
…初めて、和菓子屋さんの現場に入った日。

最高に仲良しでトモダチが多くて居心地良い学校から、
誰もがたぶん経験したことのある、緊張・緊張・緊張の社会人第1日目。

自分以外は、全員仲が良くて。
だから尚更とっても場違いな気がして、
心細くて、世界中の全ての原因が自分の行動にかかっているようなカンジ。

朝から和菓子の工場に入ってても、
自分が立ってて良い場所すらわからない。

何を喋っていいかもわからなくて、カチカチの一日が終わりに近づいた頃、
ぜんぜん打ち解けない空気の中で、
工場長さんから、翌日の注文書を読み上げるよう言われたんです…。

たくさんのお茶菓子の菓銘がつづられた注文書を読みました。

お菓子の名前は、季語や歳時記を使うことも多く、
初めての自分には、どんな御菓子なのか?もさっぱり見当がつかないです。

「…つちふで」と、何気なく読み上げたら、
それまで下を向いて一心に仕事していた全員が、
ニタ~っと(音の出るような笑顔で顔上げて)尋ねられました。

「は?何だって?もう一度読んでみて?」

「ダー、これだから素人はしょうがねえなあ…。」

え?   あ?

なんか読み方が違ったんだな。と、思いながらも
名前もまだよく知らない工場中の全員の先輩が、
ニコニコ顔で輪になって近寄ってきて、

「は???、フルハシ君、なんだって????」

「ツチフデ???笑」、これは、なんだっけええええ?

と、読めなかった恥ずかしい一生の思い出と、
そのあとずっと先輩に可愛がられるための
貴重な職場デビューの門出を飾った思い出の菓子になりました。

・・・・・・・・・・・・・

春からの新入生諸君!

先輩は、君たちのスマートな正解よりも、
きっと、一生懸命の失敗を心待ちにしています!

行儀良く、すくすく成長なんて望まずに、
どーんと、思い切りぶつかって行きましょう!

きっと、これからも、一生を導いてくれるような
たくさんのすばらしい出会いがありますよ~。

ファイト!

■ 土筆(つくし)  45g   漉し餡 /薯用種

税込価格 210円

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