秘伝の味

秘伝の味、と聞くと①何やらすごいの想像するか、②とってもコケオドシめいたものを感じて評価が下がるかどっちかだろうと思います。
まあそれは、どっちでもいいのですがお菓子屋の仕事などは、基本毎日なので「秘伝」という言葉は使わないようにしています。

まあ、社内では誰にでも教えますからね。
仕事ですから。

むしろ、「家伝」という言葉がぴったりくるので好きです。
同じお菓子の作り方でもさまざまなアプローチがあります。

修行時代、とても有名な和菓子屋さんに世間話で花びら餅の作り方を尋ねたところ、実際に工場の中まで案内してもらい、実際の道具(しかも自作!)と配合まで教えていただき大変恐縮したことがあります。

専門雑誌の職人の配合見本だって、でたらめ書いてあるような閉鎖的な和菓子業界ですので。
あまりにも開けっぴろげでそんな人いないので、驚いて、どうしてそこまでするのかと尋ねたところ、

「全部自分で考えたことだ。自分で考えて工夫したから実現した。
人に聞いても同じようにやる奴なんていないし、近道通ろうとする奴は、最後までやらない。
まして、話聞いただけで同じものができるような簡単な仕事はしていない。」
と、自信たっぷりにお話されたのを思い出します。

あんまりかっこいいので、真似してあるTV番組の取材でトコロテンの味噌たれの製法を尋ねられ、レシピや作り方まで答えたところ、
「教えすぎではないか?」と、社内で問題発言になってしまいました。笑

それ以来、自分で考え出した配合以外は、エチケットとして人に言わないようにしています。
自分で考えたものは、人に教えます。
(でも、不安なのであんまり聞かないでください。笑)

ちなみにウチの妻は、学生時代にお菓子や料理が美味しいお店があると、よく作り方を電話で問い合わせたそうです。
ウチにはそんな電話かかってきたことないですが。

…恐るべし。

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